
農業×地域の新しいカタチ、日之影の農家を支えるお仕事。
黄金の海を刈り取る、実りの瞬間。
昔ながらの田園風景が広がるまち、日之影町の農業が今回の舞台です。
お米やトマト、もち麦。多種多様な農作物が育つこの町で、地域おこし協力隊の募集が始まりました。
株式会社ひのかげアグリファームが勤務地となり、トマトの自社生産やお米の農作業の受託を中心に、収穫や手入れを手伝います。
春夏秋冬、それぞれ違った景色を見せるこの町で様々な地域おこし協力隊が全国から集まっています。
今回、事務局次長である高橋さん、社員の平田さんと橋本さんに話を伺いました。
九州のほぼ真ん中に位置する日之影町。
日之影町は、宮崎県の最北部に位置している為、空港は熊本空港の方が近い。車を走らせると至る所に「橋」が架かっている。深い渓谷になっている町特有の景色が広がっている。
「日之影町特有の高低差のある斜面に点在する田んぼは、機械の出し入れなど、一つ一つの作業に労力と危険が伴うんです」
令和6年度には、およそ160ヘクタール、東京ドーム約34個分の面積受託をしている。
2016年に設立してから、需要は右肩上がりだという。農家の高齢化や担い手不足が深刻化している裏返しでもある。
この町の環境と、農家さんたちの努力、そしてひのかげアグリファームの取り組みがおいしい作物を実らせている。
町内の農家は高齢化が喫緊の課題となっており、後継者不足や担い手不足に悩まされている。
そのような背景もあり、ひのかげアグリファームには多くの相談が寄せられるそう。
「ひのかげアグリファームは、検討委員会を立ち上げ、設立まで1年10ケ月・本格稼働には2年5ケ月かかりました。」
ひのかげアグリファームは、社員4名(うち出向1名)、パート20名、臨時職員1名の体制。
社員の平田さんは、ひのかげアグリファームの立ち上げ当初からいるメンバーのひとり。
前職では、車関係の仕事や農機具メーカーの営業としても働いた経験がある。
「前職での経験を活かせる仕事だと思い、入社しました。あと、この仕事はまちにとってもとても意義のある仕事だと感じています」
社員である橋本さんは、町外の建設会社に勤めていたが、重機などの扱いに慣れていたこともあり、2018年にひのかげアグリファームに就職した。
「あんたどんが来てくれるから自分の田んぼで作った米が食べられる。」
「そんな感謝の言葉を伝えながら涙を流す農家さんの姿に接するたびに、強いやりがいを感じます」
「心機一転、農業をやってみたいという方に来てもらいたいですね。協力隊の方には、田植えや米の収穫などの水稲に関する作業や、草刈り作業など行ってもらう予定です。未経験の方でも、我々に積極的に質問してやり方を習得したり、農業経験がなくてもここで頑張りたいと思ってくれる方であれば、ぜひ来ていただきたいです」
「やっぱり農作業は疲れるし、暑さや寒さも厳しい時もあります。でも本当に楽しんでいる人は、それすらも新鮮でおもしろいって言ってくれる。やりたいという気持ちだけあれば、それでいいと思うんです」
ひのかげアグリファームの中を覗いてみる。
高橋さんが広い施設内を案内してくれた。
「これが今月のスケジュールです。ありがたいことに作業依頼が非常に多くて」
ホワイトボード型のカレンダーには、びっしりと依頼先の業務内容が書かれている。
「ドローンを使って、防除作業なども行いますよ」
正社員になると、実に7種類以上の資格・免許の取得が必要になるという。
「ドローンも免許が必要になりますし、稲刈り機や田植え機を運ぶトラックの免許も。もちろん、資格や免許取得に向けての補助なども行っています。安心して取得できる環境を整えています」
「これはお米の乾燥機です」
農業に無知な私に丁寧に教えてくれる高橋さん。
お米は収穫した際には水分量をおよそ20%~30%程度含んでいるそう。そのまま保存してしまうと、腐ったり、変な臭いがしたり、 カビが生えたり、芽が出たりしてしまい、お米の品質が悪くなる。
「育苗機で苗を作る作業も行っています」
「やっぱり最初から関われると全然違います。小さい苗が大きくなっていく過程を間近に見られるし、水やりもすごくうれしいんです。手塩にかけて育てるとはこのことです」
「この仕事は、農家さんや自然に合わせる作業です。天候次第で予定していた作業を延期にする場合もあります。自然は私たちの手で変えることはできないですし、無理に作業を進めると事故にも繋がりかねないですね」
平田さんと橋本さんは日之影出身でもあり、幼なじみの仲だという。
「農作業の現場では、一人で黙々と作業する時もあれば社員と連携して作業を行うこともあります。チームワークがとても重要で、職場の雰囲気を楽しくすることを心掛けています」
「正直言って、結構きつい作業ばかりです。足腰も疲れるし、体力的にもかなりしんどい季節もあります」
それでも、仲良く笑顔で話す二人にひのかげアグリファームのやりがいを聞いてみる。
「もう圧倒的に農家さんからの感謝の声ですね。これだけの為に仕事をやっていると言っても過言ではありません」
「号泣しながら感謝されることも多いです。その姿を見ると、これまでしんどかった作業や底をついていた体力が、一気に吹き飛ぶ感覚になります。こんなに必要とされる仕事って、なかなかないと思いますよ」
農家さんから「必要とされている」想いに応えたいと奮闘する二人の姿は輝いて見える。
取締役でもある、小原さんにも話を聞く。
小原さんの奥様が日之影出身ということで、約10年前に出身である福岡から移住してきた。
元々、調理師として福岡のダイニングバーで10年以上勤務していた経験がある。
「自分が調理師として様々な料理を行うなかで、食材を0から育てるということに段々と興味を持つようになってきました」
「せっかくなら自分のやってみたいことをやろうと心機一転し、日之影でブロッコリーとピーマンを育てることから始めました」
農業の面白さにはまっていったちょうどその頃、ひのかげアグリファームの存在を知り、もっと農業を本格的に学びたいと入社。
現在は取締役まで務め、トマトの生産をメインに日々奮闘している。
「トマトって、青い状態で出荷して熟すのを待つのと、完熟した状態で収穫するのとでは、美味しさが全く違うんです」
「町外の道の駅や宮崎市内にも販路を開拓して、販売しています。おかげさまで、出荷したらほとんど完売になります」
小原さんが実際にトマトのハウスを見せてくれた。
町内のパートの方がちょうど収穫を始めている。
「最近の猛暑でトマトが割れることも多く、出荷できないものもあります。美味しいのに非常にもったいない」
「そんな想いから、食品加工で使用できないかとハヤシライスの製造を模索しているところです」
フードロスやSDGsが社会的に強く問われるいま、アグリファームは持続可能な農業へと着実に歩みを進めている。
ひのかげアグリファームの社員の方に共通しているのは、朝から夕方まで体をいっぱい動かして、夜はぐっすり眠る。
生きていることを実感するような日々だと思います。
そんな熱い取材を終えて事務所に戻ると、農家さんからの依頼の電話にすぐ対応する髙橋さん。
事務局側、現場の人、それぞれが連携しながら仕事を進めていくひのかげアグリファーム。
日之影の農業は素晴らしいです。
渓谷のまちで、農家さんたちがあなたを待っています。
■ご応募はこちらから■
=========
募集要領
1 募集人数
1名
2 募集条件
(1)年齢は問いません。
(2)性別は問いません。
(3)居住地要件があります。
3大都市圏及び地方都市(条件不利地域※ 以外)にお住まいの方(詳細はお問い合わせください。)
※ 条件不利地域とは①~⑦で指定する地域
①過疎地域自立促進特別措置法 ②山村振興法 ③離島振興法 ④半島振興法 ⑤奄美群島振興開発特別措置法 ⑥小笠原諸島振興開発特別措置
⑦沖縄振興特別措置法
(4)地域おこし協力隊着任後、住民票を異動できる方
(5)普通自動車運転免許を所持していること。
(6)日之影町内に居住し、町民と協力した活動や多様な主体と協働で地域活性化活動に熱心に取り組むことの出来る方
(7)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2項に規定する暴力団その他反社会的団体又はそれらの構成員に該当しない方
(8)地方公務員法(昭和25年法律第261号)第16条に規定する、各号に該当せず、心身ともに健康で、誠実に業務を行うことができる方
3 任期
着任日から1年間
なお、更新は1年単位とし、最長で3年間とします。
※ただし、1か月間を条件付採用期間とします。また、地域おこし協力隊員としてふさわしくないと判断した等のときは、任用期間中であってもその職を解くことができるものとします。
4 身分・報酬
日之影町の一般職の非常勤職員(会計年度任用職員)となり、次の条件のとおりです。
(1)報酬(月額) 180,000円(ただし、月途中に着任した日から日割り計算します。)
(2)手当等 町の規定により、期末手当・勤勉手当、通勤手当相当分の費用弁償を支給します。
(3)保険等 共済保険に加入します。
5 住宅・活動用物品
(1)住宅
任期中の住居は町内にある住宅を借り上げ、隊員に無償で貸与します。生活備品等については各隊員でご用意ください。
(2)活動用物品
活動で使用する公用車及び備品等は、無償で貸与します。
6 勤務日・勤務時間・休暇
(1)勤務日
それぞれの就労規則により勤務することになりますが、原則として月あたり20日程度
(2) 勤務時間
原則として1日あたり7時間又は週あたり35時間以内とします。
(3) 休暇
有給休暇については、労働基準法に準じます。
その他町の規則に基づき、夏季休暇、忌引休暇、結婚休暇等の特別休暇があります。
7 募集期間
令和7年5月1日から令和8年3月31日まで
(定員に達し次第募集を締め切らせていただきます。)
8 選考について
(1)1次選考:提出いただいた書類を基に書面審査を行います。
①提出書類
・応募用紙(別紙)
・市販の履歴書
・作文(A4用紙 400字以内):「地域おこし協力隊として自分ができること」
②提出方法
郵送にて、下記提出先へ提出してください。
(2)2次選考
日之影町にて「面接」を行います。
日時等は、1次選考結果を通知する際にお知らせします。
(3)結果通知
2次選考後、おおむね10日以内に結果をお知らせします。
■ご応募はこちらから■