
田舎の台所で夢を仕込む。料理でまちを盛り上げるお仕事。
日之影町、元気村。
飲食店、コーヒー屋さん、理美容室、商店など、多くのテナントが並ぶ国道沿いにある複合施設。
2013年にオープンしたこの施設は、移住者やUターン者などが起業を行い、同施設で開業する流れが多くなってきています。
そんな元気村にあるお食事処「岳」にて、地域おこし協力隊を募集します。
取り組むのは、日之影の食文化の継承。
「お食事処岳」にて、日之影の伝統料理を始めとした多彩な食文化を学び、次世代への継承や新たな日之影町の名物となり得るオリジナルメニューの開発を担います。
経験は問いません。どんどん地域のなかに入って学び、考えて手を動かしてみる。なんでも吸収したいと思う人にとって、きっと楽しい環境だと思います。
日之影町役場から車で約10分。国道218号線沿いにある元気村に到着。
木で作られたレトロな看板がお出迎え。
元気村には、10以上のテナント入居者が事業を営んでいる。
そのうちの一つが、お食事処岳。
オーナーの濱崎さんが出迎えてくれた。
「この店を開業して早いもので今年で13年目になります」
お食事処が元気村に開業したのは、2012年のこと。
濱崎さんは長崎出身で、福岡で育った。
高校卒業後から飲食の世界で働き始め、焼き鳥、寿司、イタリアン、居酒屋など様々な業態で経験を積んできた。
「いずれは自分の店を持ってみたいと思っていました」
肉、魚などをメインに焼き物を提供するカウンター席のみのお店を福岡で開業。
お客さんにも恵まれ、約4年間経営に携わった。
「自分の店を持つことは非常に勉強にもなりましたし、何よりお客さんとのコミュニケーションも楽しかったですね」
結婚を機に、妻の実家がある日之影で子どもを育てたいと思うように。
開業した店をたたみ、日之影に移住したのが2012年。同年にここ「お食事処岳」もオープン。
お昼のランチ営業と、夜は予約限定で宴会も受け付けた。
今回、協力隊の方はお食事処岳で、食文化の継承やオリジナルメニューの開発に携わる。
「日之影町内でも飲食店は数える程しかない。また、飲食店を経営されている地域の方も高齢化が進んでおり、町内から飲食店が無くなっていくことを危惧しています」
「飲食店未経験の方でも、2年間の実務経験を積めば調理師免許受験を受けることができます。勉強すれば、地域おこし協力隊の期間で調理師免許取得も可能なので、飲食店独立の選択肢など、幅が増えると思っています」
コロナ禍を機にランチ営業を休止し、お昼はお弁当作りと配達がメイン。法事の仕出し弁当なども受け付けている。
午後は、夜の予約が入っていれば宴会の仕込みや準備、翌日の仕込みなどを行う。
「まずは、料理の基礎から学んでいってほしいですね。未経験者の方は、まっさらな状態でそのまま吸収していってくれると思うので、どんどん技術に磨きをかけていってほしいです」
今回、この協力隊を主に担当される日之影町役場地域振興課の白石さんにも話を聞いた。
「町内の飲食店の高齢化が進んでおり、まちとしても今回の地域おこし協力隊募集には期待しています」
「岳さんでの仕事が主となりますが、町内の飲食店組合で従事することもあります。まずは、町内の飲食店全てに顔を覚えてもらうことから始めてほしいですね」
町内の飲食店組合に加入している事業者は5つ。どの事業者も高齢化もしくは人手不足の課題があるという。
「人口3000人程度のまちです。商圏や人口規模を考えたら、新たに飲食店を開くというのはかなりハードルも高いとは思います」
「町内の飲食店は他にも、第三セクターで日之影温泉駅や道の駅青雲橋などの併設しているレストランもあります。そこでも料理に関するスタッフを募集していますし、飲食店での起業に限定されるわけではないです。キャリアを活かして起業も可能だし、就職も可能。協力隊の方に選択肢が複数あることが重要だと思っています」
様々な農産物を採れる地域なので、協力隊の方には、豊富な素材をもとにオリジナルメニューの開発をどんどん考えていってほしい。
とはいえ、商品開発には時間がかかるもの。
まずは岳を中心に、地域や農業のことを知っていけるといいと思う。
「お店などで提供する飲食メニューでもいいですし、道の駅等で販売できるパッケージ化された商品でもいいです。地域の食にどんな魅力があって、どんなニーズがあるのか。それをぜひ具現化してほしいですね」
濱崎さんは福岡で飲食の経験を積んだこともあり、博多料理にも精通している。
岳での人気メニューとなっている「もつ鍋」は、博多で歴史があるもつ鍋専門店「万十屋」の味を再現したいと、自分で研究・アレンジを加えたもの。
もつ鍋のスープはしょうゆベースで、にんにくのパンチが効いたコクのある味。
「たとえばですけど、日之影はゆずも特産品の一つです。もつ鍋にゆずを合わせたゆずもつ鍋とか、美味しいと思いますよ」
「オリジナルメニューって、何か目新しいものを0から作るとかそういうことではなくて、元々あるものを掛け合わせたものを作る、そういう視点が大事かなと」
食に関する情報発信も積極的に行ってもらいたい。
日之影町は人口3000人程度の小さなまち。地域の方々に利用してもらうための情報発信と、町外の観光客に利用してもらうための発信では、マーケティングの観点からも全く違う。
「例えば、町民の利用を促すためだったら高齢者が多いので、SNSとかやっても全然届かないんですよね。チラシとかの方が全然有効的」
「逆に観光客向けだったら、TG層を明確にして発信する必要がありますよね。若い女性向けだったら、デザートをメインに発信するとか。中年男性向けだったら、油こってこてのスタミナ系とか笑」
日之影の食の魅力を誰に伝えていきたいのか、どのような媒体で伝えるのか、マーケティング要素も求められる。
日之影を支える食について、真剣に、そして温かく考えている人がいます。
どんな料理で、どんな関係性を育んでいくのか。
一緒に考え、ときには励まし合い、おいしいものを食べながら乗り越えていく。
そんな人からの応募をお待ちしています。
■ご応募はこちらから■
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募集要領
1 募集人数
1名
2 募集条件
(1)年齢は問いません。
(2)性別は問いません。
(3)居住地要件があります。
3大都市圏及び地方都市(条件不利地域※ 以外)にお住まいの方(詳細はお問い合わせください。)
※ 条件不利地域とは①~⑦で指定する地域
①過疎地域自立促進特別措置法 ②山村振興法 ③離島振興法 ④半島振興法 ⑤奄美群島振興開発特別措置法 ⑥小笠原諸島振興開発特別措置
⑦沖縄振興特別措置法
(4)地域おこし協力隊着任後、住民票を異動できる方
(5)普通自動車運転免許を所持していること。
(6)日之影町内に居住し、町民と協力した活動や多様な主体と協働で地域活性化活動に熱心に取り組むことの出来る方
(7)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2項に規定する暴力団その他反社会的団体又はそれらの構成員に該当しない方
3 任期
着任日から1年間
なお、更新は1年単位とし、最長で3年間とします。
※ただし、1か月間を条件付採用期間とします。また、地域おこし協力隊員としてふさわしくないと判断した等のときは、任用期間中であってもその職を解くことができるものとします。
4 身分・報酬
日之影町の一般職の非常勤職員(会計年度任用職員)となり、次の条件のとおりです。
(1)報酬(月額) 180,000円(ただし、月途中に着任した日から日割り計算します。)
(2)手当等 町の規定により、期末手当、通勤手当相当分の費用弁償を支給
(3)保険等 社会保険に加入します。
5 住宅・活動用物品
(1)住宅
任期中の住居は町内にある住宅を借り上げ、隊員に無償で貸与します。生活備品等については各隊員でご用意ください。
(2)活動用物品
活動で使用する公用車及び備品等は、無償で貸与します。
6 勤務日・勤務時間・休暇
(1)勤務日
それぞれの就労規則により勤務することになりますが、原則として月あたり20日程度
(2) 勤務時間
原則として1日あたり7時間又は週あたり35時間以内とします。
(3) 休暇
有給休暇については、労働基準法に準じます。
その他町の規則に基づき、夏季休暇、忌引休暇、結婚休暇等の特別休暇があります。
7 募集期間
令和6年10月1日(火)~
8 選考について
(1)1次選考:提出いただいた書類を基に書面審査を行います。
①提出書類
・応募用紙(別紙)
・市販の履歴書
・作文(A4用紙 400字以内):「地域おこし協力隊として自分ができること」
②提出方法
郵送にて、下記提出先へ提出してください。
(2)2次選考
日之影町にて「面接」を行います。
日時等は、1次選考結果を通知する際にお知らせします。
(3)結果通知
2次選考後、おおむね10日以内に結果をお知らせします。
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