グリーンウッドワーク③ ククサっぽいコップを作ってみた
「忘れてたとか」「今年はやめとこうかな」せめて「今回は勘弁してやるか」と考えてくれないかなぁと…毎年毎年きっちりなります花粉症。この時期に一年分のくしゃみをしてしまう木こりのムラジこと星村です。
木こりをしながら伐採した木を持ち帰り木工作品を作っています。
水分をとばすために寝かせるのではなく、むしろ瑞々しいうちに手を加えて何かしら形作る。
これがグリーンウッドワークといいます。詳しくは、私が以前書いた
さて今回は、大物?のククサ作りに挑戦しました。
ククサとは、北欧(フィンランドやスウェーデン)で白樺のコブで作られてたコップのこと。
私も今調べて知りました…「コブってなんやねん」って思ったものですから。
幹にボコってコブができてるんですね。どの木にもコブができるわけではないでしょうから、ククサは貴重なコップと言えます。
私が作ったのは単に木をくり抜いて作った物ですからククサと呼ぶのはおこがましい。
ククサっぽいコップと呼ぶことにしましょう。略してクポコです
まずは、伐採して手に入れたケヤキの木。クポコを作ろうと思いたった日に手に入った材がケヤキでした。
ケヤキも昔は重宝された木材で先輩方の話では、ハリに使われたとか、あれこれこれこれと聞きます。
できるだけ四角になるようにチェンソーで切りましたが‥難しい。
製材機が欲しい。『あれも欲しい♪これも欲しい♫もっと欲しい♬もっともっと欲しい〜♪』
さて、ここからが大変。ノミや彫刻刀、フックナイフを使い穴をくり抜いていきます。これも旋盤機があれば早いのでしょうが、それでは削る楽しみがない。グリーンなウッドワークじゃないわけです。
しかし、削るのは大変ですが、削り始めると気持ちが良くなってきます。よく切れる道具ならす〜いす〜いといつまでも削っていたくなります。セラピー効果があるような気がします。
血だらけですね。ナイフの先ちょが触れただけの怪我です。いつものことなのでご心配なく。
夏目漱石の『夢十夜』の中で仏師の運慶が登場します。運慶が像を刻んでいるとそれを見た主人公が、「よく失敗しないもんだな」みたいなことをうと別の人が「あれは形をノミで削ってるんじゃないよ、あの通りの仏像が埋まっているのを掘り出しているだけなんだよ。だから失敗するはずがないんだよ。」と会話する場面がありますが。私ももうちょっといいものが掘り出せたらなぁ。せめて金貨でもあればね。
指が入るくらいの穴を開けようとしたらでたらめなところで貫通してしまい。これ以上大きくできませんでした。
少しずつ形ができてくると嬉しいものです。
できあがるのを待つのではなく、自分自身の手で作り上げていくことが更に喜びを高めてくれます。
握るところをどういった形にするか
素敵な形が思い浮かばない。
手前のクポコはグリーンウッドワークの研修で作成したもの(材料は栗の木)。
栗の木は、削りやすい木です。削り心地も良いですね。
穴には、紐をとりあえず通してみました。
完成‼︎ 意外と量が入らない。これで約130mlです。
ああ。それにしてもこういった工作ができる広いスペースが欲しい。
※ クポコは、私が勝手に作った名称ですのでこのブログ以外では全く通用しません。