
見慣れた風景に、新しい価値を。観光協会のお仕事。
宮崎県日之影町。
宮崎県屈指の観光地である高千穂町のとなり。
深い渓谷美が特徴で、人口は3100人程度の小さなまちです。
全国で初めて森林セラピー基地に認定されたまちで、世界農業遺産やユネスコエコパークにも認定されています。アウトドアアクティビティや伝統芸能など、さまざまな観光資源があるものの、まだまだ穴場な観光地。
今回は、そんな日之影町の観光協会で働く地域おこし協力隊を募集します。
地域おこし協力隊として採用され、任期を終えたあとは、そのまま観光協会で働くことも可能です。
主に担当するのは、森林セラピーロードの確認や登山道の確認、観光情報サイトの更新やSNSの運用、イベントの運営といった、現場の仕事とオフィスの仕事をバランスよく行ってもらいます。
決まった仕事もありつつ、個人の裁量が比較的大きい環境です。
自主的に動き、面白いことにチャレンジしてみたい。そんな人が活躍できる仕事だと思います。
日之影町役場から車で5分ほどで、日之影町コミュニティセンターに到着。
レトロな町並みが見え、商店街が続いている。
そんなコミュニティセンター内にあるのが、日之影町観光協会のオフィス。
コミュニティセンターの2階に上がり、事務局長である小川さんに話を聞いてみる。
「日之影は、高千穂みたいに観光名所があるような場所ではありません。だけど、知れば知るほど奥が深い、多くの観光資源があるんです」
「さらに、隣にある竹細工資料館も新しくなり、竹細工ファンもよく訪れてくれます」
地元のテレビ局にも取り上げられ、新しくなってからは来館者も急激に増えたそう。
「道の駅で開催するロードフェスタや県庁前で行う直売イベントなど、観光客向けのイベントを開催しています」
ほかにも「森林セラピー」に特化したウェブサイトも運営。
森林セラピーの中に「マインドフルネス」を組み込んだツアーの企画・運営も行っている。
協力隊の方には、道の駅に併設している観光案内所で勤務してもらい、観光案内の業務や森林セラピーロードや登山道の確認等で、まず日之影を知るところから。
「観光協会という組織の一員として動く意識が大事になってきます。案内所で1日事務作業をすることもあるし、地域の声を拾うために地域まわりをすることもあります」
「日之影での暮らしに慣れてくれば、観光客や地域の声をヒントに、イベントの企画運営やツアーの開発など、好きなことや得意なことを活かせる仕事に挑戦してほしいと思っています」
事務局長である小川さんは日之影出身。
中学校まで日之影で過ごしたあと、高校・大学に進学し、神奈川県でシステムエンジニアとして働いた。
都会はあくまで仕事をするだけの場所、いずれは日之影に戻ってきたいという気持ちはずっとあったそう。約37年間勤めた。
日之影にUターンしたのが2017年。職は特に決めておらず、ハローワークに通いながら気長に自分に合う仕事を探せればいいと思っていた。
「ちょうどその頃観光協会の事務局長を募集している求人があり、応募して採用されました。観光協会で働き始めたのは、2018年4月からです」
「日之影出身とはいえど、住んでいたのは中学生まで。行ったことのない集落ばかりで、まずは町内全域を知るところから始めました」
前職のシステムエンジニアを活かして、新しく観光協会や森林セラピー、竹細工などのホームページ制作にも携わった。
「例えば、観光協会のホームページでは、『日之影を知る』『日之影を持ち帰る』といったタブを設けています。単なる観光名所の案内ではなく、日之影をどのように楽しめるか、どんな魅力を伝えたいのかという視点を大切にしながら、制作に携わりました」
町内をくまなく回ることで、日之影の本当の魅力に気づいていったという。
日之影町が発行している「日之影町史」は小川さんの愛読書にもなった。
「戸川地区には立派な石垣があり、石垣の村として日本の棚田百選にも選ばれています。なぜ、この地域でそもそも石垣が作られるようになったのか。そういった疑問を一つ一つ知っていけばいくほど、地域全体が繋がってくるんです」
「日之影を知っていくうえで『なぜ?』を大事にする人が、この仕事に向いているかなと思います。探求心があればあるほど、どっぷり日之影の魅力にハマっていくんじゃないかと思ってますね」
日之影は深い渓谷のまちが故に、200を超える大小様々な橋がかかっている。
最近では、橋めぐりのパンフレットを観光協会が制作した。
「このパンフレットを見て、実際に橋を巡る方もたくさんいらっしゃいます。どういった構造で、どういった経緯で架けられた橋なのかを紐解いていくと、すごく興味深い事実が次々と出てきます」
「若い大学生集団に橋巡りのツアーを是非してほしいとお願いされたこともありますね」
小川さんの豊富な知識を聞きながらの橋巡りは、絶対に面白い。
秋には実証的にツアーも開催してみたいと意気込んでいる。
道の駅に併設している観光案内所に向かった。
話を聞かせてもらったのは、観光協会配属の地域おこし協力隊を任期満了した古屋さん。
任期満了後、正社員として観光協会に就職した。
「私は福岡出身なんですが、幼少期の頃に延岡や日之影、高千穂などでアウトドアを家族で楽しむことも多く、専門学校を卒業してからはこのエリアで就職すると決めていました」
「任期中は主にSNSの発信だったり、セラピーロードや登山道の確認作業、イベント運営のお手伝いなどをしていました」
観光協会は、地域おこし協力隊のOBOGが3名おり、地域おこし協力隊を任期終了後も受け入れる体制が整っている。
地域おこし協力隊は任期終了後、地域を離れる人も少なくないが、古屋さんはどうして日之影に残ったのか。
「自然、人、シンプルにこの町が好きだから残っています」
日之影愛溢れる熱い男からは満面の笑み。
「観光協会は、地域に入っていけるコミュニケーション能力が大きく求められます。事業者さんや地域の人に、気軽にわからないことを聞きにいけるみたいな。愛嬌もある人だと、馴染みやすいのかなと思います」
小川さん、古屋さんに話を聞いて、観光協会の仕事は地域の価値を発掘し、物語として伝える仕事だと感じました。
知れば知るほど奥が深い日之影の魅力を、観光客に「どう届けるか」「どう体験としてデザインするか」を考え、発信する役割はやりがいも大きい仕事です。
日之影町観光協会、まちをおもしろくしようとしている心強い人たちがいます。
まずは、日之影を訪れて日之影の魅力を味わってみてほしいです。
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募集要領
1 募集人数
1名
2 募集条件
(1)年齢は問いません。
(2)性別は問いません。
(3)居住地要件があります。
3大都市圏及び地方都市(条件不利地域※ 以外)にお住まいの方(詳細はお問い合わせください。)
※ 条件不利地域とは①~⑦で指定する地域
①過疎地域自立促進特別措置法 ②山村振興法 ③離島振興法 ④半島振興法 ⑤奄美群島振興開発特別措置法 ⑥小笠原諸島振興開発特別措置
⑦沖縄振興特別措置法
(4)地域おこし協力隊着任後、住民票を異動できる方
(5)普通自動車運転免許を所持していること。(AT限定可)
(6)日之影町内に居住し、町民と協力した活動や多様な主体と協働で地域活性化活動に熱心に取り組むことの出来る方
(7)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2項に規定する暴力団その他反社会的団体又はそれらの構成員に該当しない方
(8)地方公務員法(昭和25年法律第261号)第16条に規定する、各号に該当せず、心身ともに健康で、誠実に業務を行うことができる方
3 任期
着任日から1年間。
なお、更新は1年単位とし、最長で3年間とします。
※ただし、1か月間を条件付採用期間とします。また、地域おこし協力隊員としてふさわしくないと判断した等のときは、任用期間中であってもその職を解くことができるものとします。
4 身分・報酬
日之影町の一般職の非常勤職員(会計年度任用職員)となり、次の条件のとおりです。
(1)報酬(月額) 180,000円(ただし、月途中に着任した日から日割り計算します。)
(2)手当等 町の規定により、期末手当・勤勉手当、通勤手当相当分の費用弁償を支給し
ます。
(3)保険等 共済保険に加入します。
5 住宅・活動用物品
(1)住宅
任期中の住居は町内にある住宅を借り上げ、隊員に無償で貸与します。生活備品等については各隊員でご用意ください。
(2)活動用物品
活動で使用する公用車及び備品等は、無償で貸与します。
6 勤務日・勤務時間・休暇
(1)勤務日
それぞれの就労規則により勤務することになりますが、原則として月あたり20日程度
(2) 勤務時間
原則として1日あたり7時間又は週あたり35時間以内とします。
(3) 休暇
有給休暇については、労働基準法に準じます。
その他町の規則に基づき、夏季休暇、忌引休暇、結婚休暇等の特別休暇があります。
7 募集期間
令和7年5月1日~令和8年3月31日
(定員に達し次第募集を締め切らせていただきます。)
8 選考について
(1)1次選考:提出いただいた書類を基に書面審査を行います。
①提出書類
・応募用紙(別紙)
・市販の履歴書
・作文(A4用紙 400字以内):「地域おこし協力隊として自分ができること」
②提出方法
郵送にて、下記提出先へ提出してください。
(2)2次選考
日之影町にて「面接」を行います。
日時等は、1次選考結果を通知する際にお知らせします。
(3)結果通知
2次選考後、おおむね10日以内に結果をお知らせします。
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