
育てる・つくる・売る・伝える、栗の六次化産業のお仕事。
ほくほくとした食感と、やさしい甘みが魅力の栗。自然の恵みがぎゅっと詰まったその味わいは、どこか懐かしく、秋の訪れを感じさせてくれます。
宮崎県日之影町の栗は、品質の高さから主に和菓子用として全国に出荷されています。
そんなひのかげ栗を、生産から加工まで手掛ける「マロンハウス・甲斐果樹園」。
農業に興味はあるけど、どんな農作物を育てていきたいか迷っている人、栗はいかがでしょうか。
今回、マロンハウス・甲斐果樹園にて栗の生産から加工まで一貫して行う地域おこし協力隊を募集します。
マロンハウス・甲斐果樹園は、日之影の名産品である栗を高付加価値を付けて販売することを目的に平成13年に設立されました。
協力隊の方はここに所属し、社員の方から指導を受け、6次産業化を3年間学びます。
農業をやってみたいけど迷っている人や、地域産品のブランディングに興味がある人におすすめです。
日之影役場から車で約15分、渓谷美が織りなすこの景観は、訪れる人の心をそっと癒してくれる。
マロンハウス・甲斐果樹園は、この渓谷の一角に佇む。
坂道を登った先に、事務所と加工場が併設された建物が並んでいる。
まずは、社長である甲斐喜夫さんに話を聞いた。
「わたしは元々役場の職員で、50歳の時に役場を早期退職し、マロンハウス・甲斐果樹園を開業しました。当時、商工観光に関する仕事に携わっていて、日之影の栗は品質も良く高い評価を受けていた。そんなひのかげ栗を活かした高付加価値商品を作っていきたいと強く感じるようになったのがきっかけです」
「品質が高い栗だからこそ、全て県外に出荷するのではもったいない。地域で栗を加工して販売することに意味があると思っています」
今では、正社員は12名、パート7名、栗の収穫時期などの季節雇用が50名~60名と地域を牽引する企業までに成長している。
「高齢化が進み、担い手不足で栗を辞める人も多い。遊休化していく農地や収穫ができなくなった樹園地等を借受け、町内の農地も活用をしています」
そう話す喜夫さんも現在74歳。昨年の2月には心臓の手術も行った。喜夫さん自身も、体力的に今後厳しくなってくるであろう想定はしていた。
そんな折に、息子である牧人さんが後継者として戻ってくることが決まったそう。
「全国各地で、後継者不足が深刻な問題として取り上げられています。息子が継がなかった場合、誰に事業承継するのか、M&Aするのか、色々考えないといけないと思っていた矢先に、息子への事業承継が決まったんです。やっぱり嬉しいですよね」
後継者である牧人さんにも話を伺った。
「今は1日1日が毎日新鮮です。知らないことだらけなので、日々勉強ですよね。だけど、自然と向き合って非常に楽しいです」
牧人さんは、元々教員として隣の延岡市でバレーボール強豪校の監督として活躍。過去、3度の春高バレーへの出場も決めている名将だった。
「バレーボールに心残りがないかと言われたら嘘になってしまいますが、今まで本当に精一杯させて頂きました。悔いはありません」
今回、この協力隊の担当部署となる農林振興課の飯干さんと牧人さんは同級生。
「バレーの監督で活躍していたことはもちろん知っていました。まさか後を継いで戻ってくるとは。驚きもあったけど、素直に嬉しいですよ」
マロンハウス・甲斐果樹園の主力商品は、「栗きんとん栗九里」。予約しないとなかなか購入も難しい、日之影を誇るお土産の一つ。
町内の栗の収穫量は、高齢化に伴い離農する人や異常気象などで段々と減少傾向にあるという。
統括リーダーを務める牧人さんの妻、美穂さんにも話を伺った。
「栗の収穫量は年によって全然違います。台風の影響もすごく受けるので、いかに収穫量を安定して確保するかが課題です」
マロンハウス・甲斐果樹園では、自社農園も管理しており、年間で約3トン程度の栗を収穫している。
「弊社のスタッフも高齢化が進んでいて、若手不足の状況が続いています。やっぱり農業は体力も使いますし、若い力というのは必須だと思っています」
話を進めている最中、喜夫さんがニコニコしながら何やら持ってきた。
「これ栗っぷりん。食べてみらんね」
「このプリンは、栗きんとんを製造する際に余る部分を有効活用できないかと、試行錯誤しながら製造したプリンです」
食べてみると、濃厚な栗の味わいが口いっぱいに広がる。
余った素材でプリンやまんじゅう、ようかんなどの製造も行っており、SDGsにも力を入れている。
「こうやって美味しいって言われると、やっぱり嬉しいですよね。うちは、消費者とのコミュニケーションをとても大事にしています。こういったコミュニケーションの中に商売の本質があると思っていますね」
地域おこし協力隊は最大3年間の有期雇用の制度。
マロンハウス・甲斐果樹園での任期終了後のキャリアについては、どう考えているのか。
「もちろんそのまま正社員として採用したいと考えています。やる気のある人だったら、喜んで採用したいですよね」
協力隊の方には、栗農園の管理や収穫、栗きんとんの製造、SNSでの魅力発信など、多岐に渡る活動を予定している。
農園では、剪定や施肥、病害虫の管理を重ね、じっくりと育てる。
四季を感じながら栗と向き合い、数年かけて「実りの秋」を迎えるその過程は、手間がかかる分、喜びもひとしお。
栗の美味しさは、環境だけでなく人の手によって大きく変わる。
「いつ、どれだけ剪定するか。収穫のタイミングはいつが最適かなど、細かな判断の積み重ねが品質を左右します」
自然と向き合い、経験を重ねて“理想の栗”を追い求める姿は、まさに職人の仕事。
「ひのかげ栗は全国でも品質が高いと評価を受けています。まさに“栗のダイヤモンド”です。そのダイヤモンドを、いかに輝かせることができるか、いかに全国へ発信できるか、地域おこし協力隊の方にぜひ挑戦してもらいたいですね」
栗きんとん栗九里は、一度味わえばその風味が記憶に残り、ふと思い出したくなる。そんな力を秘めた商品です。
6次産業化で地域を牽引しているマロンハウス・甲斐果樹園で、あなたの挑戦を待っています。
まずは、ぜひ栗きんとん栗九里を味わってみてください。
■ご応募はこちらから■
=========
募集要領
1 募集人数
1名
2 募集条件
(1)年齢は問いません。
(2)性別は問いません。
(3)居住地要件があります。
3大都市圏及び地方都市(条件不利地域※ 以外)にお住まいの方(詳細はお問い合わせください。)
※ 条件不利地域とは①~⑦で指定する地域
①過疎地域自立促進特別措置法 ②山村振興法 ③離島振興法 ④半島振興法 ⑤奄美群島振興開発特別措置法 ⑥小笠原諸島振興開発特別措置
⑦沖縄振興特別措置法
(4)地域おこし協力隊着任後、住民票を異動できる方
(5)普通自動車運転免許を所持していること。
(6)日之影町内に居住し、町民と協力した活動や多様な主体と協働で地域活性化活動に熱心に取り組むことの出来る方
(7)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2項に規定する暴力団その他反社会的団体又はそれらの構成員に該当しない方
(8)地方公務員法(昭和25年法律第261号)第16条に規定する、各号に該当せず、心身ともに健康で、誠実に業務を行うことができる方
3 任期
着任日から1年間
なお、更新は1年単位とし、最長で3年間とします。
※ただし、1か月間を条件付採用期間とします。また、地域おこし協力隊員としてふさわしくないと判断した等のときは、任用期間中であってもその職を解くことができるものとします。
4 身分・報酬
日之影町の一般職の非常勤職員(会計年度任用職員)となり、次の条件のとおりです。
(1)報酬(月額) 180,000円(ただし、月途中に着任した日から日割り計算します。)
(2)手当等 町の規定により、期末手当・勤勉手当、通勤手当相当分の費用弁償を支給し
ます。
(3)保険等 共済保険に加入します。
5 住宅・活動用物品
(1)住宅
任期中の住居は町内にある住宅を借り上げ、隊員に無償で貸与します。生活備品等については各隊員でご用意ください。
(2)活動用物品
活動で使用する公用車及び備品等は、無償で貸与します。
6 勤務日・勤務時間・休暇
(1)勤務日
それぞれの就労規則により勤務することになりますが、原則として月あたり20日程度
(2) 勤務時間
原則として1日あたり7時間又は週あたり35時間以内とします。
(3) 休暇
有給休暇については、労働基準法に準じます。
その他町の規則に基づき、夏季休暇、忌引休暇、結婚休暇等の特別休暇があります。
7 募集期間
令和7年6月1日から令和8年3月31日まで
(定員に達し次第募集を締め切らせていただきます。)
8 選考について
(1)1次選考:提出いただいた書類を基に書面審査を行います。
①提出書類
・応募用紙(別紙)
・市販の履歴書
・作文(A4用紙 400字以内):「地域おこし協力隊として自分ができること」
②提出方法
郵送にて、下記提出先へ提出してください。
(2)2次選考
日之影町にて「面接」を行います。
日時等は、1次選考結果を通知する際にお知らせします。
(3)結果通知
2次選考後、おおむね10日以内に結果をお知らせします。
■ご応募はこちらから■