楽しく、盛り上げて
このまちに生きていく。
高橋一彰さん年齢33歳
高橋書店

元気なまちの本屋
高橋書店で働く

人口3,500人のまち日之影町に、元気な本屋がある。高橋書店。営業範囲は日之影町だけでなく、高千穂、五ヶ瀬、延岡など広く西臼杵郡一帯にまで及ぶ。

ポチっとすればすぐに自宅まで本が届いてしまう時代だからこそ、まちのちいさな本屋が元気であることは、まちにとっても、そこに暮らすひとにとっても、すごく大切なことだ。なぜなら本屋は、本を売るだけの存在ではなく、まちの文化を支える存在であり、ときには知の拠点であり、ときには新しい交流や出会いの場にもなりうるものだからだ。

高橋一彰さんは、両親が経営するその高橋書店で働くため、日之影にUターンしてきた。「そろそろ戻って来たら、という連絡を親からもらいました。そのとき姉はすでにこの書店で働いていたのですが、人手が足りない状態になっていたようでした。そんな事情を理解し、日之影に帰ることを決意しました」と高橋さんは言う。

大分から日之影へUターン
飲食業から書店業へ転職

それまでの高橋さんは「ずっと大分にいた」のだと言う。「大分の飲食店で料理の仕事を10年やり、その後、居酒屋やバーで働いてきました。そういう世界でずっと仕事してきたので、それとはまるでちがう書店の仕事をいまはイチから学んで、頑張っているところです」

「とはいえ、ひとに接する、という点では飲食店も書店も変わりません。だから、挨拶だけは一生懸命やるようにしています。いまのメインの仕事は、学校や役場への配達です。延岡や五ヶ瀬町にも行きます。でもイマイチ土地勘もないんですけどね」

「18歳くらいのときに日之影を離れてから、すでに10年以上経っていました。だから、帰って来た当初はすごく新鮮な気持ちでした。懐かしいなあ!って感じです。そして、気づいたのは、日之影の町のこと、知らないことばっかりだなってことでした」

仲間とともに
楽しさを共有していく

高橋さんのいまの日之影暮らしの楽しみはなにか、と尋ねると「飲みに行くこと」と笑って答えてくれた。

「〈ひろせや〉は歩いて5分かからないところにある居酒屋です。小走りすれば30秒かからないかも(笑)。友人と飲むときによく使わせてもらいます。月5回は行っているかな。料理がうまいし、となりの虹絵(にじかい)で飲みながらカラオケ歌うのも大好きなんです。友だちとは仕事の話などしながら酒を飲みますけど、わたしは普段は盛り上げ役に徹します」

「これまでやってきたことを自分の糧にしながら、これから学んでいくことをそこにしっかりプラスしていきたいです。とりあえず大切なことは、“楽しく”やっていくことじゃないでしょうか。楽しいことを、さらに盛り上げていく。いつもそういう姿勢でいたいと思います」

「家族がすぐそばにいることの息苦しさを感じるときも、たまにあります。でも、日之影はやっぱりすごく落ち着きます。ちっちゃい頃から育ってきて、慣れ親しんできた場所ですから。悪いところもありますけど、いいところもすごくたくさんあるまちです」

高橋書店

住所 日之影町七折3455-2

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